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トップ記事地球とつながる暮らしのデザイン 10月16日

地球とつながる暮らしのデザイン 10月16日

更新日2022年12月15日

環境学習会を開催しました

東京大学先端科学技術研究センター研究顧問の 小林 光 先生を講師にお招きし、環境学習会を開催しました。
村内外から28名の方が参加し、地球温暖化に対し、私たち一人ひとりになにができるか、地域として何ができるか学びました。

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そもそも地球温暖化って?

太陽から地球に降り注ぐ光は、地球の大気を素通りして地面を温め、その地表から放射される熱をCO2が吸収し大気を温めます。大気中のCO2の量が適度であれば、地球全体の気温は程よく保たれます。
ところが、CO2が増えすぎると熱が余分に残り、
地球全体の気温が上がってしまいます。
これを地球温暖化といいます。

家庭から排出されるCO2

CO2は、石油や天然ガスを燃やすと、その中にある炭素分が燃えて発生します
私たちの暮らしを支える電気やプラスチック等は、大量の石油や天然ガスを用いて作られ、大量のCO2が排出されています。

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「これらを使わないようにすることは難しいことですしかし、今ある知恵や技術をもってすれば、地球の環境をいろいろな生物にとって住みやすい状態に維持することは決してできないことではありません。」と小林先生。

20年以上前にエコハウスを建て、省エネと創エネにより、家庭における温暖化対策を実践されてきました。
そのCO2排出削減効果は  4,716kg-CO2/年  → 764kg -CO2/年    84%削減
※CO2排出係数は固定値により計算

茅野市のエコハウスでは、自然エネルギー100%の暮らしを実践されています
断熱性能の高い建築、省エネ家電により、必要なエネルギー量は通常の家と比較しておよそ6割
8.8kWの太陽光発電パネルの創エネ量を含めると、必要なエネルギー量と比較して1.5倍のエネルギー量を産出
その他にも、蓄エネのための蓄電池、蓄CO2のための木材使用、雨水貯留など
今後の展望は、VPP(再エネ発電量を踏まえつつ、需要を増やしたり、引き下げたり、分散した蓄電システムからグリッドへ放電する仕組み)の取り組み研究

家庭における温暖化対策の最善手は

エネルギー消費が極力少なくて済む家、設備を選ぶこと
の上で、どうしても必要なエネルギーをCO2排出のない再生可能エネルギーにより賄うこと

とくに効果の高い対策

・断熱化
 冬は外へ熱を逃がさず、夏は外から熱が入らないよう断熱
 壁、天井、床などさまざまな場所から熱は出入りしますが、そのほとんどは窓などの開口部から
 窓を枠断熱、複層ガラスや真空ガラスに改修することで 室温はおよそ3~4℃上昇
・太陽熱利用の床暖房、給湯による省エネ
・最新家電買い換えによる省エネ
  節電効果の実測値(一例) エアコン 買い換え後▲82%
                冷蔵庫  買い換え後▲15% 再買い換え後▲55%
太陽光発電による創エネ

エコハウスで暮らしてみてわかったこと

自然のエネルギーの量はすごい

一戸建ての家で4人家族が使うエネルギー47,000MJ/年
110㎡の土地に降り注ぐ太陽エネルギー(光、熱)はおよそ460,000MJ/年

一戸建ての家で4人家族が使う上水道の量130㎥/年
110㎡の土地に降り注ぐ雨の量はおよそ190㎥/年

費用面はどうか?

電力・ガス代/月 34,180円 → 5,783円   83%節約
投資額は20年強で回収し、以降はお得が発生

体に気持ち良い、健康だ!

断熱効果を高めることで、冬暖かく夏涼しい快適な住まいとなるだけでなく、ヒートショックの予防、起床時の最高血圧低下、アレルギー等の改善効果がみられます。

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地域で取り組めること

2050年脱炭素といった目標に照らせば、個々の取組みだけではもう一つ成果が不足、地域で取り組むことが必要だということから、大規模発電所の電力供給に頼らず、地域で使うエネルギーは、地域で創り、蓄え、融通し合う、エネルギーの地産地消を目指す「マイクログリッド」の事例等をご紹介いただきました。

参加された方からは「先取りした取り組みが面白い」「省エネ家電を選ぶ重要性もわかり、大変参考になった」等の声が聞かれました。

エネルギー転換が私たちの地域や暮らしにどんな利益をもたらし、どう変えていくのかを学び、考える貴重な機会となりました。
できることから取り組んでいくこと、地域全体で考えていくことが重要だと感じました。

最後に、ご講演いただきました小林先生をはじめ、開催にご協力いただいた皆さま、そしてご参加いただいた皆さまに改めて感謝申し上げます。

 

 

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