○原村防災・減災のむらづくり条例
令和7年3月18日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 自助の取組(第4条―第5条)
第3章 共助の取組(第6条―第8条)
第4章 公助の取組(第9条―第19条)
第5章 雑則(第20条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、災害から住民の生命、身体及び財産を守るための基本的理念を定めるとともに、住民、事業者、自主防災組織及び村の責務や役割を明確にすることにより、地域のつながりを大切にした、安全で安心して暮らせるむらづくりの実現を目指すことを目的とする。
(1) 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、地震、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他大規模な事故により生ずる被害をいう。
(2) 防災・減災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、被害を最小限にとどめることをいう。
(3) 住民 村内に居住する者又は村外からの通勤者、通学者等村内における滞在者をいう。
(4) 事業者 村内で事業を営む個人又は法人をいう。
(5) 自主防災組織 行政区(以下「区等」という。)又は事業所等を単位とし、自らの地域や職場を守るため、日頃から地域住民とともに防災・減災活動に取り組む組織をいう。
(6) 避難行動要支援者 高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する者のうち、災害が発生した場合や災害が発生するおそれがある場合に自らの避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要する者をいう。
(7) 避難支援等関係者 消防、警察、自主防災組織、民生児童委員、社会福祉協議会その他避難行動要支援者の避難支援等の実施に携わる者をいう。
(8) 防災関係機関 国、県、その他地方公共団体及び消防、警察、自衛隊その他防災に関係する機関をいう。
(基本理念)
第3条 防災・減災のむらづくりは、次の各号に掲げる理念に基づき、住民、事業者、自主防災組織及び村がそれぞれの責務と役割を果たし、相互に連携を図りながら協力することを基本理念として行わなければならない。
(1) 住民及び事業者が自らの生命は自らが守るという防災・減災の基礎となる「自助」の理念
(2) 住民、事業者及び自主防災組織が地域においてお互いに助け合うという「共助」の理念
(3) 行政が「自助」及び「共助」を支え、住民等を支援する「公助」の理念
第2章 自助の取組
(住民の自助)
第4条 住民は、次に掲げる事項を実施することにより災害に備え、自己及び家族等の安全確保に努めなければならない。
(1) 災害時に必要な生活物資について最低3日間分、可能な限り1週間分の備蓄を行うこと。
(2) 建築物等の耐震化及び家具等の転倒、落下等の防止措置を行うこと。
(3) 平時から災害情報の収集方法及び緊急連絡先、連絡方法等の確認を行うこと。
(4) 平時から地域の危険箇所等を防災ガイドブックやハザードマップ等で確認を行うこと。
(5) 平時から避難方法及び避難場所、避難所の確認を行うこと。
(6) 防災・減災に関する意識を高め、知識の習得に努めること。
(7) 前各号に掲げるもののほか、自らを災害から守るために必要なこと。
(事業者の自助)
第5条 事業者は、次に掲げる事項を実施することにより災害に備え、従業員及び来訪者(以下「従業員等」という。)の安全確保に努めなければならない。
(1) 災害時における従業員等の安全な場所の確保及び滞在に必要な生活物資の備蓄を行うこと。
(2) 建築物等の耐震性、耐火性等を確保し、物品等の転倒、落下等の防止措置を行うこと。
(3) 従業員等に防災研修、訓練等を行うこと。
(4) 災害情報の収集方法及び連絡先、連絡方法等の確認を行うとともに、従業員へ周知を行うこと。
(5) 事業所周辺の危険箇所、避難所等の確認及び従業員への周知を行うこと。
(6) 前各号に掲げるもののほか、自らを災害から守るため必要なこと。
第3章 共助の取組
(住民の共助)
第6条 住民は、地域の一員としての責務と役割を自覚し、日頃から地域とりわけ近隣世帯の住民が助け合えるよう、普段から顔の見える関係づくりを心掛けるなど、近隣世帯間の相互協力関係を構築するとともに、地域の活動に参加するよう努めなければならない。
2 住民は、自らが居住する地域の自主防災組織に加入するよう努めるものとする。
3 住民は、自主防災組織が実施する防災活動に積極的に参加するよう努めるものとする。
4 住民は、災害発生時において近隣世帯の住民同士の円滑な避難及び負傷者の救護に努めなければならない。
5 住民は、災害時に避難所の運営に協力するよう努めるものとする。
(事業者の共助)
第7条 事業者は、所在する地域の一員としての責務と役割を自覚し、当該地域の住民及び自主防災組織と連携するとともに、防災活動に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、自主防災組織が実施する防災活動に参加するよう努めるものとする。
3 事業者は、災害時に避難所の運営に協力するよう努めるものとする。
(自主防災組織の共助)
第8条 自主防災組織は、住民及び事業者と協力し、地域における防災活動を実施するものとする。
2 自主防災組織は、地域における防災活動を担う中心組織として、迅速かつ円滑にその活動が行えるよう、自主防災組織の活動を担う人材の育成及びその他自主防災組織の活動の充実に向けた取組を実施するよう努めるものとする。
3 自主防災組織は、地域の特性に応じて、住民及び事業者が当該地域に係る自主防災組織の活動に参加しやすいよう、環境の整備に努めるものとする。
4 自主防災組織は、災害に対する日頃の備え、災害が発生した際の的確な行動等、防災意識の普及に努めるものとする。
5 自主防災組織は、地域の実情に沿った情報の収集及び伝達、防災資器材を利用した初期消火、避難、救助、救護等の防災訓練を実施するよう努めるものとする。
6 自主防災組織は、災害時に必要な生活物資を備蓄するとともに、防災資器材を整備するよう努めるものとする。
7 自主防災組織は、地域における危険箇所、避難場所、避難所、避難方法を把握し、住民及び事業者に周知するよう努めるものとする。
8 自主防災組織は、災害時に避難所の運営に協力するものとする。
9 自主防災組織は避難体制整備や避難所運営等を進める地域の防災リーダーとなる人材及び防災士の育成に努めるものとする。
第4章 公助の取組
(村の責務)
第9条 村は、住民の生命と財産を災害から守り、その安全を確保するため、防災・減災のために必要な災害対策を講ずるとともに、地域防災体制の整備を効率的かつ効果的に実施しなければならない。
2 村は、住民及び事業者と連携協力して、防災・減災対策を実施するとともに、自助、共助による防災・減災対策活動を支援しなければならない。
3 村は、職員の災害に対応する能力、防災・減災に関する知識の習得及び技術の向上を図るため、職員に対する訓練、研修等を行わなければならない。
4 村は、防災知識の普及及び防災に関する情報の提供を積極的に推進するとともに、防災に関する教育充実を図り、住民及び自主防災組織の防災知識の向上及び防災意識の高揚に努めるものとする。
5 村は、防災・減災を推進するため、常に防災関係機関との連携に努めなければならない。
6 村は、災害に関する正確な情報を迅速かつ確実に収集し、住民及び事業者等に伝達しなければならない。
7 村は、地域における防災力向上のために防災士の育成に努めるものとする。
(自主防災組織との連携)
第10条 村は、災害時における自助、共助の基盤となる自主防災組織と密接な連携協力を図り、地域の総合的な力をもって住民の安全確保に努めなければならない。
2 村は、災害が発生した区等と的確な情報の共有をするため、職員を派遣するものとする。
(自主防災組織の育成及び支援)
第11条 村は、自主防災組織の育成のために必要な支援を行うものとする。
2 村は、自主防災組織の活動が円滑に行われるよう必要な助成及び研修の実施に努めるものとする。
(ボランティア団体との連携)
第12条 村は、災害時においてボランティアによる支援活動が円滑に実施されるよう、あらかじめボランティア団体その他関係機関と連携体制の確立に努めなければならない。
(避難所の運営)
第13条 村は、災害時に備え、避難所開設のための防災資器材及び備蓄物資を整備し、その機能の充実に努めなければならない。
2 村は、避難所運営に関し、避難所となる施設の管理者及び関係者、自主防災組織、事業者等と連携を図り、災害時の避難所運営に係る協力体制を整備するよう努めなければならない。
(避難行動要支援者の避難支援体制整備)
第14条 村は、避難行動要支援者に対する情報提供及び避難支援が円滑に行われるよう、避難支援体制の整備に努めなければならない。
2 村は、避難行動要支援者に係る個人情報について、災害時など特に緊急かつやむを得ない場合は、原村地域防災計画に基づき、避難支援等関係者に必要な個人情報を提供することができる。
3 村及び前項に規定する個人情報の提供を受けた者は、当該個人情報を適正に管理しなければならない。
(備蓄物資の整備)
第15条 村は、災害が発生した場合に必要となる食料、飲料水等の生活物資を備蓄するとともに、防災資器材を整備するものとする。
(応急体制の確立)
第16条 村は、災害時において、住民、事業者及び自主防災組織の協力を得て、防災関係機関と連携し、応急対策を行うための体制を確立し、避難所の開設、災害情報等の収集及び伝達体制の整備並びに応急医療体制の整備等、必要な措置を講じなければならない。
(復旧及び復興体制の確立)
第17条 村は、災害により村内に被害が発生したときは、防災関係機関と連携し、原村災害対策本部を中心とする復旧及び復興体制を確立しなければならない。
(防災訓練の実施)
第18条 村は、防災関係機関及び自主防災組織と連携を図り、地域の特性に応じた実践的な防災訓練を積極的かつ計画的に実施するものとする。
(防災・減災の啓発)
第19条 村は、住民及び事業者に対し、自助、共助の意識の高揚を図るため、防災・減災に関する啓発活動を推進するものとする。
2 村は、子どもから高齢者までそれぞれに応じた防災・減災に関する知識、技術及び災害発生時において適切に行動する力、命を守る力を身につけることができるよう、防災・減災に関する教育を推進するものとする。
第5章 雑則
(委任)
第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。