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トップ記事平成23年度 広報はら12月号

平成23年度 広報はら12月号

更新日2021年3月11日

平成23年度広報はら12月号村長きよしの高原の風vol.4

島根県海士町(あまちょう)に行って来ました。日本海に浮かぶ隠岐諸島の中の島です。人口2,500人、面積33.5平方キロメートルの小さな島です。近年ここの地域おこしが注目で、島まるごとブランド化、産業創出や若者のIターンが盛んで、完全に元気をとり戻した島は、「立ち上がる農山漁村」として総務大臣表彰をはじめ数々の表彰や認定を受けています。

この島にも平成の大合併の嵐は吹き荒れたのですが、島嶼間の合併は効果がないとして単独町制を決断します。しかし公共事業で成り立っていた町の財政は火の車で町債残高は101億円にも達し、数年後には財政再建団体へ転落確実という状態でした。にも拘らず自立を選択したのは、島に対する強い愛と誇りと気概だったればこそ、それからが大変でした。自らの身を削らない改革は支持されないと職員全員の自発的な給与削減、職員数や議員数削減、事業費圧縮、各種委員日当削減の申し出、住民からも削減の申し出。本当に追い詰められた時真価が発揮されたのです。

しかし、縮こまるだけでは士気が下がります。攻めの戦略に打って出たところが凄い。地域再生戦略「海士デパートメントストアプラン」で、地産地商を唱えて起死回生を計りました。産業創出課、地産地商課、交流促進課をもって活性化に向かったのです。島に元気をとり戻したばかりでなく、Iターン者を呼びこみました。もともと隠岐は流人の島で、よそ者を受け入れる風土があり、承久の乱で流された後鳥羽上皇は、この島で19年間も島人に暖かく遇されて生涯を終わっています。ですから攻めの戦略は図に当ったのです。隠岐牛、岩牡蠣養殖、なまこ加工、梅干、塩辛、天然塩、メディア産業、他多数がIターン者によって創業されています。

よく地域おこしは、よそ者、若者、馬鹿者によって成し遂げられると言います。大らかな島のやる気にカルチャーショックを受けて、意を新たにしました。

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