○原村太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例施行規則
令和元年9月24日
規則第13号
(趣旨)
第1条 この規則は、原村太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例(令和元年原村条例第13号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規則における用語の意義は、条例の例による。
(抑制区域)
第3条 条例第6条第1項に規定する抑制区域は、次に掲げる区域とする。
(1) 原村環境保全条例(平成9年原村条例第7号)第2条第2号に定める保健休養地
(2) 景観法(平成16年法律第110号)第8条第1項に基づき長野県景観条例(平成4年長野県条例第22号)第4条第2項で定められた八ヶ岳山麓景観育成重点地域
(3) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項及び第9条第1項の規定に基づき指定された区域
(4) 屋外広告物条例(平成5年長野県条例第23号)第4条第1項第3号及び第9条第2項の規則で定める地域で、原村区域内の高速自動車道国道中央自動車道西宮線の両側各500メートル以内、原村道2016号線の両側各300メートル以内及び原村道2007号線の両側各300メートル以内
(5) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条に基づき指定された砂防指定地
(6) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項の地域森林計画の対象となっている民有林の区域
(7) 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第6項第1号イに規定する農用地区域及び同号に規定する農地の区域
(8) 原村文化財保護条例(昭和42年原村条例第12号)第4条第1項に基づき指定された原村史跡、原村名勝、原村天然記念物等や文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条により指定された国史跡など、歴史上また学術上価値のある物や地域に多大な影響を与える場所
(9) 地区協定や住民協定がある場所
(1) 事業者の氏名、住所及び連絡先(法人にあっては、その名称、代表者の氏名、主たる事業所の所在地及び連絡先)
(2) 設置事業の着手予定年月日及び完了予定年月日
(3) 事業区域の所在、地番、地目及び面積
(4) 設置事業及び発電事業の内容
(5) 地域住民及び近隣関係者への周知の範囲及び方法について
(6) 周辺景観の保全に関する事項
(7) 災害の防止に関する事項
(8) 生活環境及び自然環境の保全に関する事項
(9) 事業の廃止に関する事項
(10) その他村長が必要と認める事項
(設置事業の周知及び説明会)
第5条 条例第8条第1項で定める周知及び説明会は、次に掲げる事項を説明するものとする。
(1) 事業者の氏名、住所及び連絡先(法人にあっては、その名称、代表者の氏名、主たる事業所の所在地及び連絡先)
(2) 設置事業の着手予定年月日及び完了予定年月日
(3) 事業区域の所在、地番、地目及び面積
(4) 設置事業及び発電事業の内容
(5) 周辺景観の保全に関する事項
(6) 災害の防止に関する事項
(7) 生活環境及び自然環境の保全に関する事項
(8) 事業の廃止に関する事項
(設置事業の届出)
第7条 条例第9条第1項の規定による届出は、事前協議書に、次に掲げる書類を添付した正本及び副本各1部により行うものとする。
(1) 事業計画書(様式第4号)
(2) 事業区域等状況調書(様式第5号)
(3) 地域住民等説明会報告書(様式第6号)
(4) 別表第1に定める図書
(開発行為許可申請書の提出、環境保全審議会)
第8条 事業者は、前条の届出と同時に、原村環境保全条例(平成9年原村条例第7号)に基づき、開発行為許可申請書を提出し、かつ、原村環境保全審議会に諮らなければならない。
(身分証明書)
第12条 条例第14条第2項に規定する身分を示す証明書は、原村職員の身分証明書に関する規程(平成30年原村訓令第5号)第3条により交付されたものとする。
(公表)
第14条 条例第16条第1項に規定する公表は、掲示及びホームページ、その他村長が適当と認める方法により行うものとする。
(補則)
第15条 この規則に定めるもののほか、この規則の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則
この規則は、令和元年10月1日から施行する。
附則(令和3年12月17日規則第14号)
(施行期日)
1 この規則は、令和4年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際、現に提出された届出等については、なお従前の例による。
別表第1
図書の種類 | 備考 |
1 位置図及び案内図 | |
2 土地利用計画図(太陽光発電設備の施工図) | 縮尺1,000分の1以上の図面で、発電設備、緑地(既存及び新設)、防災施設、緩衝施設等の配置等が分かるもの |
3 土地造成計画(平面図及び断面図) (1) 土地現況図 (2) 土地造成計画図 | 縮尺1,000分の1以上の図面で、切土箇所、盛土箇所(色分け)、高低差、のり面の勾配角度及び保護措置(擁壁等)の設置状況が分かるもの |
4 雨水排水計画図 | 排水施設配置図、排水計算書、地質調査等に関するもの |
5 工作物構造図 | 排水施設及び事業区域境界付近の防災措置、緩衝施設等の詳細が分かるもの |
6 公図及び地積図 | 公図には、近隣関係者として事業の説明が必要なものに係る土地の所有者及び地番を記入すること |
7 事業区域内の登記事項証明書 | 副本は、写しの添付によることができる。 |
8 条例第8条第3項に規定する看板を設置したことが分かるもの | カラー写真とする |
9 他の法令による許可、認可等を受けている場合には、その写し | |
10 その他村長が必要と認める図書 |
別表第2
設置事業に関する遵守事項 | ||
関連法令等の遵守 | 電気事業法(昭和39年法律第170号) | 電気事業法を遵守し、太陽光発電設備の工事を行うことができる有資格者が決定していること。 |
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号) | 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の事業計画認定(設備認定)及び電力会社との系統連系に関する協議が進められ、事業を行うことに支障がないこと。 | |
道路法(昭和27年法律第180号) | 工事車両等に関して、道路管理者と協議すること。協議の結果、特殊車両の許可を要する場合には、当該許可を受け、又はその見込みがあること。 | |
工事に使用する道路に関して、道路管理者と協議し、工事車両等により道路を損傷した場合には、事業完了後に、原型復旧すること。 | ||
その他関連法令等の遵守 | 事業に関連する法令及び条例等を遵守しなければならない。 | |
事業の確実性 | 土地及び建物の使用権又は所有者の同意 | 事業者が事業区域の土地及び建物を使用する権利があるか又は所有者の同意を得ていること。 |
上記以外の権利者の同意 | 事業区域の土地及び建物に処分制限の登記における登記権利者がいる場合には、その者の同意を得ていること。 | |
資金計画 | 事業の工事の資金計画に支障がないこと。 | |
工事施工者 | 工事施工者に事業を行う能力及び信用があること。 | |
事業区域の明確化 | 境界の明確化 | 事業区域の範囲を土地の筆界により明確にすること。 |
フェンス等の設置 | 事業区域の外周に第三者が敷地内に侵入できないようフェンス等を設置すること。 | |
生活環境の維持 | 建設機械等による周辺への影響の防止 | 1 建設機械又は工事に伴う騒音又は振動について、事業区域周辺に影響を与えないよう適切な対策を講ずること。 2 工事に使用する建設機械に関して、騒音規制法(昭和43年法律第98号)及び振動規制法(昭和51年法律第64号)の届出がされているか又は手続上支障がないこと。 |
工事車両による周辺への影響の防止 | 工事車両の通行等による大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、砂又はほこりの飛散等により事業区域周辺に影響を与えないように適切な対策を講ずること。 | |
除草剤散布の禁止 | 周辺への影響を考慮し、除草剤の使用は原則禁止する。 | |
太陽光発電設備による騒音及び振動の対策 | 1 太陽光発電設備(パワーコンディショナー、キュービクル等)から発生する騒音及び振動に関して、地域住民と協議し、必要な対策(緩衝帯の設置、防音壁の設置等)を講ずること。 2 騒音規制法及び振動規制法の届出対象である場合には、届出がされているか又は手続上支障がないこと。 | |
太陽光発電設備による圧迫感、熱等の対策 | 太陽光発電設備による圧迫感、熱等に関して、地域住民等と協議し、必要な対策(緩衝帯の設置、植栽等の設置)を講ずること。 | |
パネルの反射光対策 | 太陽光発電設備のパネルによる反射光に関して、地域住民と協議し、必要な対策(緩衝帯の設置、低反射タイプパネルへの変更または傾きの調整)を講ずること。 | |
道路の視界確保 | 道路に近い場所に太陽光発電設備を設置する場合には、道路の見通しの妨げにならないよう必要な対策(道路から後退する等)を講ずること。 | |
緩衝帯の設置 | 事業区域の境界に沿って、その内側に5メートル以上の緩衝帯を設けること。 | |
山林の保全 | 山林の伐採は、最小限に留めるようにすること。 | |
可能な限り現状の地形及び植生を残す工夫をすること。 | ||
緑化施設の設置 | 造成を行う場合には、造成面積(太陽光発電設備を設置しようとする土地に隣接し、一体的な他の目的の路用のために造成した土地の面積を含む。)に応じ、それぞれ次に掲げる造成面積に対する割合の緑化施設(植栽、花壇その他の緑化のための施設及び敷地内の保存された樹木をいう。以下同じ。)を、可能な範囲内において緩衝帯の設置場所等に設けること。 1 造成面積が2,000平方メートル未満の場合 10パーセント以上 2 造成面積が2,000平方メートル以上10,000平方メートル未満の場合 20パーセント以上 3 造成面積が10,000平方メートル以上の場合 30パーセント以上 | |
樹木を含む事業区域内廃棄物の適正処分 | 伐採した木竹、除根した木竹の根、雑草、腐植土、工事に伴う廃棄物等については、事業区域外に搬出し、適正な処分を行うこと。 | |
魅力ある景観の保全 | 景観への配慮 | 宅地等開発地の景観を阻害しないように太陽光発電設備の設置位置、形態意匠、色彩等に配慮すること。 |
史跡、文化財等の景観への配慮 | 史跡、文化財等の景観を阻害しないように太陽光発電設備の設置位置、形態意匠、色彩等に配慮すること。 | |
自然の景観への配慮 | 自然環境、自然景観を阻害しないように太陽光発電設備の設置位置、形態意匠、色彩等に配慮すること。 | |
農村景観や自然の景観を損なわないように努めるとともに、自然の保全に努めること。 | ||
尾根線上や高台への設置は避けること。 | ||
設置高は、接地面から2.5メートル以下とする。 | ||
植栽等による対策 | 太陽光発電設備を設置する場合において、地域住民等からの要望があるときは、通行者、車両等から直接見えないよう植栽等で対策を講ずること。 | |
太陽光発電設備のパネルの色彩等の対策 | 太陽光発電設備は、黒、グレー系、ダークブラウン系その他周囲と調和したできる限り目立たない色彩で、低明度、低彩度色とすること。 | |
太陽光発電設備の色彩等の対策(パネル以外) | パワーコンディショナー、分電盤、フェンス等の付属設備の色彩は、周囲の景観と調和したできる限り目立たない色彩とすること。 | |
災害の防止(防災安全対策) | 造成計画の調査及び設計 | 1 事業区域内の造成に伴い、現況高、計画高等の雨水処理対策の設計に必要な調査を行うこと。 2 高さ1メートルを超える擁壁を設置する場合には、地下水位の高さ、地質、地耐力等の擁壁計算に必要なデータを地盤調査により確認し、適切な擁壁等を設置する設計を行うこと。 |
盛土、切土工事に関する安全対策及びがけ地対策 | 造成により、盛土、切土及び崖等が生じる場合には、原村環境保全条例施行規則(平成9年規則第9号)の崖等を生じる場合の工法により工事を行うこと。 | |
雨水対策 | 1 事業区域内の雨水は、敷地内で処理すること。 2 太陽光発電設備から発生する雨水について、雨水の落下地点が洗掘されず、雨水が敷地内に浸透するように雨樋の設置、砕石敷の設置等の対策を講じること。 3 事業区域外に明らかに雨水が流出すると村長が判断した場合には、村長が指定する雨水対策を講じること。 | |
湧き水対策 | 事業区域内に湧き水が発生している場合には、適切に処理する施設の設置等の対策をとること。 | |
事業区域と道路の接続 | 事業区域と道路が接しており、工事車両等の通行に支障のない幅員が確保されていること。 | |
工事車両等に対する安全対策 | 1 工事車両等が事業区域内外に出入りする際には、地域住民等及び道路通行車の安全を確保する措置を講じること。 2 地域住民等から更なる安全対策について要請があった場合には、誠意をもって対応すること。 | |
工事期間中の安全対策 | 工事期間中は、第三者が事業区域に侵入しないよう措置を講じること。 | |
工事中の土砂流出及び粉じん対策が必要となった場合には、仮囲い、素掘り側溝、小堤、仮排水処理施設、防塵ネット等の設置等を行うこと。 | ||
支持物(架台、架台基礎等)の安全確保対策 | 太陽光発電設備の太陽電池モジュールの支持物は、支持物の高さにかかわらず、日本産業規格JIS C 8955「太陽電池アレイ用支持物設計標準」に規定する強度を有し、単管パイプ等の簡易的なものを使用しないこと。ただし、村長が村の施策を実現するためやむを得ないと認めるものはこの限りではない。 | |
太陽光発電設備の支持物の基礎は、原則として、布基礎、べた基礎又は杭基礎(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第93条に規定する国土交通大臣が定める方法により安全性確認がされたものに限る。)とし、簡易的なものでないこと。ただし、村長が村の施策を実現するためやむを得ないと認めるものはこの限りではない。 | ||
地域住民等との共生 | 地域住民等への説明 | 環境、景観、防災等の点で特に問題が発生しやすいことから、事業着手届出書提出前に事業内容を近隣関係者等に十分説明し、理解を得た上で必要な対策を講じること。 |
工事に伴う苦情及び要望への対応 | 工事の開始後に、事業に関して苦情又は要望があった場合には、苦情者等に説明を行い、問題の解決のために必要な対策を講じること。 | |
異常又は災害発生時の対応について | 事業に起因すると思われる異常が発生した場合又は災害が発生した場合には、迅速かつ誠実に対応するとともに、要請があれば説明会や戸別訪問等を行い、要請等がなくても速やかに村及び地域住民等に連絡して、住民等との協調を保つよう対応すること。 | |
設置事業に関する看板の設置 | 条例第8条第3項に規定する看板を、事業区域内の見やすい場所に設置すること。 |
別表第3
発電事業に関する遵守事項 | ||
関連法令等の遵守 | 維持管理に関する法令及び条例等を遵守すること。 | |
太陽光発電設備及び事業区域の維持管理 | 太陽光発電設備の保守点検 | 1 太陽光発電設備は、電気事業法の保安規定等により定期的な保守点検を行い、適切に管理すること。 2 保守点検については、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(JEMA/JPEA制定)」により行うこと。 |
事業区域の清掃等 | 事業区域内の施設及び敷地は、定期的に清掃、除草等を行い、適切に管理すること。 | |
除草剤の散布による周辺への影響の防止 | 1 除草剤を散布する場合には、事前に散布の日時、使用する除草剤名及び除草剤による影響等について、地域住民等への周知を図るとともに、周辺に飛散しないよう万全の対策を講じること。 2 学校や病院等の公共施設、住宅又は農地に隣接している場合には、原則除草剤を使用しないことが望ましいが、やむを得ない場合にはそれぞれの関係者と十分に協議すること。 | |
管理上通路の確保 | 事業区域と道路が接しており、管理上事業区域内に入ることに支障がないこと。 | |
設置した施設等の維持管理 | 1 設置事業により設置した雨水処理施設、緩衝帯、緑化施設、敷材、工作物等について、棄損することなく適切に維持管理をすること。 2 設置事業により保全した山林を適切に管理すること。 | |
事業区域への侵入防止措置 | 侵入防止フェンス等の維持管理 | 第三者の侵入防止のためのフェンス等を事故が起こらないよう適切に管理すること。 |
事業区域出入口の施錠措置 | 第三者が敷地内に侵入し、事故等が起こらないよう出入口に施錠措置を講じること。 | |
発電事業に関する看板の設置 | 災害発生時などの緊急の場合に連絡が取れるよう、条例第12条第2項に規定する看板を事業区域内の見やすい場所に設置すること。 | |
異常又は災害発生時の対応 | 異常発生時の対応 | 周辺環境に影響を及ぼす異常(太陽光発電設備又はその他施設の破損、騒音、振動、雑草繁茂、雨水流出、土砂流出等)が発生した場合には、速やかに対処するとともに、状況及び対処について村及び地域住民等へ連絡すること。 |
災害発生時等の対応 | 落雷、洪水、台風、積雪、地震等が発生した場合には、速やかに現地を確認し、太陽光発電設備に異常が発生していた場合又は太陽光発電設備に起因すると思われる異常が発見された場合には、早急に対処するとともに、速やかに村及び地域住民等に連絡すること。 | |
緊急対応マニュアルの作成 | 異常又は災害が発生した場合に速やかに対応ができるよう、あらかじめ緊急時の連絡網及び事象別の対応を示した緊急対応マニュアルを作成すること。 | |
苦情又は要望対応 | 発電事業の開始後に、当該発電事業に関して苦情又は要望があった場合には、その者に説明を行い、問題の解決のために必要な対策を講じること。 | |
撤去又は廃棄 | 1 事業者は、太陽光発電設備の撤去又は廃棄について、設置事業の計画の段階から予定耐用年数等により検討し、事業計画に位置付けた内容により行うこと。 2 発電事業の終了後は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)、建設工事にかかる資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)及び「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(環境省)」に基づき、事業者の責任において適正に処理すること。 |