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寄贈 野中ひろみさんの裂織作品を村内でご覧ください

更新日2021年3月11日

自然や光を織り込んだアート作品としての裂織

原村在住の裂織作家、野中ひろみさんが自らの作品を村にご寄贈くださいました。
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野中さんは伊那市のご出身で、大学でテキスタイルデザインを学ばれたのち、
桐生織・多摩織の研鑽をつまれました。
伊那市で工房「織音舎(おりおんしゃ)」を立ち上げた当初は
着尺や帯などを織っていましたが、しだいに裂織に夢中になっていったそうです。

原村の美しい風景に惹かれ、いつかこんなところに住んで作品を作れたらと、
長くご夫婦で話されていたとのこと。村へ移住されたのは2007年です。
樅の木荘の向かいにある丸太造りのお店「織音舎」を皆さんもご存じかと思います。

ご寄贈いただいた作品

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わき立つ入道雲を描いた「Summer」。
「稜彩」は朝焼けに赤く輝く八ヶ岳を描いたもの。
「年に1~2度しか見られない貴重な瞬間」を織物にされたそうです。
村長室に飾られる「透光」は、雲の奥に「パラダイスの光」が透ける様子が描かれています。

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「Something blue」には、飛行機の窓から見おろした森や赤い屋根の風景がモザイクのように描かれています。
「水面」は、原村の「まるやち湖」を描いたものだそうです。

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「颯」は原村で見られる美しい夕焼け、「明日への希望に満ちた夕暮れ」を描いた作品です。
「夜想抱月」にもあるように、野中さんは光や雲など
自然界の動きがあるものを作品に取り入れているそうです。

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原村の魅力を織り込んで

裂織といえば、もとは農家の女性たちの冬の手仕事であり、
古くなった野良着などを横糸に使って、こたつ掛けといった日用品を作る簡素な織り物でした。

そうした昔ながらの裂織に「つづれ織り」を取り入れ、野中さんは独自の作品を生み出しました。
「つづれ織り」は最高級の着物の織り方でもあり、大変高度で時間のかかる手法です。
ある時は糸を撚り、染めるところから手掛け、裂織を芸術作品の域にまで発展させました。

村内の八ヶ岳美術館ではこれまで3回にわたり野中ひろみさんの個展を開催しています。
また同館で開かれる「あなたが選ぶ信州の裂織展」では
信州さきおりの会代表として審査員も務められています。

令和元年12月16日(月)には樅の木荘多目的スペースにおいて寄贈式が開催されました。

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「原村の良さを伝えたいと思って織っています」と語って下さった野中さん。
作品の中には村内の風景があちこちに織り込まれています。
また、未来への希望など、明るい気持ちが伝わるような作品となっています。

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皆さんも公民館や診療所等へお出かけの際に、ぜひ野中ひろみさんの裂織作品をご覧ください。

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