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平成22年度 広報はら1月号

更新日2021年3月11日

平成22年度広報はら1月号村長きよしの山麓朴談vol.41

福島県に三春町という町があります。登山家の田部井淳子さんの出身地で、私とは些か知見があります。この町の町づくりがすばらしいのです。イベントでも直売所でもやたらと人出が多いのです。一流の田舎町なのです。

この町は城下町でしたから、人と人の繋がりが強く排他的なところもありますが、人がいいのです。どんな人にもヨソモノにも挨拶をしてくれるのです。挨拶は人づきあいの基本ですから大切です。第一、その地域の活気を感じますし、挨拶がないと閉鎖的だなと感じてしまいます。挨拶からいろんな話に入って行けて、その地域を知ることも、その人を知ることも出来る訳です。この町の大らかさと発展を予感させられて、何だか楽しくなります。今は車社会でその土地の人と言葉を交わすことが少なくなっていますから、挨拶は特に重要です。道でも親切に教えてもらうと、空が一段と明るくなった様な気分です。わが原村もヨソの人から、こう思われてるかなぁと思ったりします。

城下町でしたから皆祭りが好きです。何処にも負けない山車祭りがあり、アメリカまでも行ってしまいました。無類の踊り好きは、正月からでも盆踊りを踊ってしまいます。祭りが地域を活性化させることを知っています。しかし衰退していた時期もあったのです。

町を活性化させなければなりません。城下町ですから至る所歴史の産物です。地域学の出発です。地元を良く知ると共に仲間づくりも出来たのです。次は足りない知識は輸入だとばかり、知識人や学者を呼んで(それも一度に3~4人)話を聞き、交流会を開きました。多様な講師を呼んでますから、多様な人が集まっています。どういう町にしようという話には、うってつけでした。目標が出来て自治会や商店主にやる気が出て来ました。

丁度運よく新幹線の停車駅が隣市に出来て、都会の便利さを持った田舎町を作ろうということになりました。ニュータウンは開放的な背の低い生け垣に囲まれ、電柱や塀のないすっきりとした街並みとなり、どの家もがガーデニングを楽しみ、それが人々に潤いを与えています。通りには順に公共施設や福祉施設が並び、公衆トイレやベンチもあり、観光客や足の弱い人も困りません。近くには商業施設と美術館や図書館もあり、狭い範囲で一通りの用事は総て済みます。町は蘇り人々は溌溂として人生を送っています。これは当時言われはじめたコンパクトシティのはしりであり、「うるおい・緑・景観モデル都市」の第一号として建設省の指定を受けたのでした。

勿論こんなことは財政困難な今日では望むべくもないことですが、ハード面ではなくて、町の活性化に異文化を取り入れ、住民で侃々諤々として、まとめ上げたことにあります。人々のやる気がいかに力となるか見せつけられたのです。住民こぞって一流の村を作っていこうという気持ちが、とても大切と教えられました。

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