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トップ記事平成22年度 広報はら3月号

平成22年度 広報はら3月号

更新日2021年3月11日

平成22年度広報はら3月号村長きよしの山麓朴談vol.43

原村にも伊達直人が現れました。伊達直人現象は全国各地で見られ、ランドセルや学用品、文房具、果ては現金までもが、恵まれない児童のいる施設等に贈られ、一種のさわやかさと格好よさを人々に与えました。

漫画タイガーマスクの主人公伊達直人は、自分の身の孤児院にファイトマネーで得た金銭等をそっと送りながら正義を貫き、人々に勇気を与えるのですが、それにあやかって、現在の疲弊した社会に夢と希望と勇気を与えてくれました。日本の社会もまんざらではありません。

原村では1月15日の午後、20代の女性が役場に現れ、原村の伊達直人としてきれいな包装紙の箱で、「辛い思いや淋しい思いをしている原村の子に上げてください」と手紙を添えて、名乗らずに立去りました。中にはぬり絵の手帖や色鉛筆、折紙、粘土セット等が入っていました。役場で調べられる限りでは該当するような児童は原村にはいないと思われましたので、協議して岡谷市の児童養護施設「つつじヶ丘学園」に贈り、児童らに喜んでもらいました。贈り主の善意に応える為、新聞報道で広く人々に知って戴きました。贈り主の女性には心から感謝致します。このようなことは思ってもなかなか出来ることではありません。

ランドセルだけでも6百個を超えたという全国のタイガーマスク、社会の真価というものはここぞという時に表われるもので、一昨年末の「年越し派遣村」といい、今回の「タイガーマスク伊達直人現象」といい、日本社会の隣人を思いやるという共助精神がまだ残っていることを示すもので嬉しくなります。わが日本社会の誇りと思います。各種の評論や感想では、これが一時的なものにならないようにと言っています。本当にこういう良いことは、社会でずっと続いて欲しいものと願いますが、一時的だとしても素晴らしいことです。この動きに背中を押されて何かしようと考える人も多いのではないでしょうか。

しかしいざ行動を起こすとなると勇気も決断も要ることです。そこまでは出来なくても一寸した心掛けで、赤い羽根共同募金へ協力したり、ボランティア活動を行ったり、社協会費をすすんで支払ったり、最低ゴミのポイ捨てはしないなどで、社会はだいぶ明るく潤いのあるものになります。

私たちは、他人のことを思いやれる温かで美しい世の中を、築き上げなくてはなりません。

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