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平成22年度 広報はら9月号

更新日2021年3月11日

平成22年度広報はら9月号村長きよしの山麓朴談vol,37

原村は自他ともに認める野菜王国と言ってよいでしょう。

高原の強い日光を受けて育つ野菜は栄養価も豊富で、人々の食卓を豊かに満たし、健康を維持する上で大変大きな役割を果たしています。野菜嫌いで肉食ばかり多くしていますと酸性体質となり、体の栄養のバランスが崩れ、やがて健康な生活が保てなくなります。

食生活にとって大切な野菜ですが、楽では育ちません。農家の野菜栽培の苦心は、土づくり、施肥に始まり、作目によってマルチかけ、並行して苗づくりそして定植、敷藁も作目により、或いは播種する作物によっては間引きも、肥培管理また防除、支柱を要する物や芽かき、培土、作目によって作業内容や手順も異なり、何よりも適期の作業が求められ、休まる暇とてありません。生きている物を育てる訳ですから、瞬時でも目を離したり、愛情を欠かすと良い物は出来ません。

この様に苦労の連続ですが最後の決め手は陽気です。太陽の恵み、自然の恵みです。太陽の恵み、自然の恵みが、少しでも多く自分の方を向いてくれることを願って、勤勉の徒は励み続けるのです。それは恰も選民への道を歩んでいるかの様であります。

ところが最近、「野菜工場」なるものを聞きます。温湿度管理された無菌の工場内で、人工光線によって野菜を育てるというのです。

神をも怖れぬ所業と言いたくなります。確かに野菜は育つでしょう。無菌のものかも知れません。しかし折角ある太陽の恵み、自然の恵みを利用せず、必要でもないエネルギーで地球温暖化を促進して、人類滅亡の方向へ向かわなくてもよいと思うのです。「野菜工場」で使うエネルギーは、地球全体から見れば僅かのものかも知れません。けれども地球温暖化を食い止め、低炭素社会を実現しようという社会的要請に背を向けて、人類をあざ笑っているかの様に、私には思えてならないのです。

原村は太陽の恵み、自然の恵みを目一杯浴びて農業に勤み、健全に発展し続ける村でありたいと願っています。地球という生命の星がくれる大地の恵みを大切にして、人類、いや生きとし生ける物全てが生命を繋いで、永遠の繁栄を果たさなければなりません。

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