柏木の「阿久」の信号機角にある『文化財整理室』は、消防署隣の
旧整理室から移転して、早1年10ヶ月が経ちました。
小・中学校の生徒さんが見学に来たり、各種教室を開催したりと
地域の皆さんにも、整理室に来ていただく機会が増えていますが、
あらためて文化財整理室とはどんなところかを紹介します。
まずは、整理室外観です。
旧整理室よりも「国史跡 阿久遺跡」にも近く利便性が良いです。
また、旧JA跡地ということもあり、駐車場も広くなりました。
外には、昨年より朝顔を植え、緑のカーテンを作っています。
ピンク・紫・水色の色とりどりの花を咲かせて、皆の目を楽しませて
います。
整理室入り口には、以前HPでも紹介しました掲示板を設置し、
文化財整理室の仕事紹介や、火の女神フゥーちゃんの紹介、
そしてフゥーちゃんの耳より情報としてその都度近況を載せています。
自動販売機に来た際に、足を止めて見てくださる方も沢山いて嬉しい限りです。
では、整理室の中をのぞいてみましょう。
中には原村から出土した土器や石器がいっぱいです!
原村には98ヵ所の遺跡があり、発掘調査で出土した遺物の整理を
行っています。
整理作業とはいったいどんな事をするのでしょうか?
1.洗浄
出土した場所毎に分けられている土器や石器を、壊さないように
注意しながら、水洗いして土を落とします。
2.注記
どの場所から出土したかを、全ての土器や石器にほそ~い筆でちぃ~さく
書きます。
3.分類
土器破片を、「口縁部」「胴部」「底部」に仕分けします。
そして、土器には色々な文様がついているので同じ文様別に、
石器は、用途に応じた石器の種類別に分けます。
4.接合・復元
バラバラの破片同士が、つくかよ~く見ていきます。
沢山接合するものは、復元して一つの形にします。
5.拓本・写真
珍しかったり特徴的な物を、画仙紙という和紙に墨で文様を写し取ります。
先日見学に来た、小・中学生も体験しました!
復元した土器や石器は写真に撮ります。
6.実測
拓本同様、珍しかったり特徴的な土器や石器を実測します。
7.台帳作成
出土地点・部位・文様等細かな情報を一覧表にまとめます。
8.遺物カード作成
実測図に拓本を貼付け、遺物カードを作ります。
9.袋詰め・収蔵
整理した土器や石器を、袋に詰めて箱に入れ、阿久遺跡近くの
収蔵庫に収蔵します。
10.報告書作成
整理が終わると、発掘した成果をまとめた報告書を作ります。
このような流れで整理作業がすすめられています。
その他にも、文化財の保護と活用ということで、各報告書やガイドブックの
刊行や各種教室の開催、こて絵の調査、ミヤマシロチョウの越冬巣調査で
阿弥陀岳に登ったりと、様々な文化財に関する業務を行っている
文化財整理室です。
皆さんも、是非一度文化財整理室に来て見て触れて、素晴らしい原村の遺跡を
体感してください!
お待ちしてます♪