原村の暮らしと文化を学び、体験できる場所
原村郷土館は、江戸時代末期から明治初期に建てられた旧家「伊藤米之助宅」を移築した建物を中心に、昭和30年代前半の農村生活を再現した体験型の文化施設です。
台所や井戸、縁側、食器棚などが整えられ、暮らしの知恵や当時の暮らしぶりを肌で感じることができます。
敷地内には「民俗資料展示室」「藁打ち小屋」「まてのくら(土蔵)」も併設され、原村の風土と人の営みを伝える学びと憩いの場 として、多くの人に親しまれています。
春には枝垂れ桜が咲き、夏から秋には草花が庭を彩ります。涼しい古民家の縁側で、昔の暮らしに思いをはせながら、ゆったりとした時間をお過ごしください。
基本情報
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住所 〒391-0115
長野県諏訪郡原村17217-1566
TEL
0266-79-7930
(原村教育委員会 生涯学習課文化財係 ※郷土館には電話がありません)
開館時間
午前9時~午後5時まで
※7月中旬~9月末まで開館しています。
詳しい開館日・休館日については 総合カレンダー で確認してください。
● 9月は 土日祝日のみ 開館
休館日
● 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
● 9月末~7月中旬まで
展示と建物のご案内
郷土館主屋(旧伊藤家住宅)
江戸時代末期から明治初期の農家住宅を移築し、昭和30年代の暮らしを再現しています。
台所や井戸、勝手場、縁側などが整備され、農村の生活を身近に感じられます。
郷土館母屋 母屋1
民俗資料展示室
明治以降から昭和30年代前半にかけて盛んだった 養蚕や家内製糸 に関する用具を中心に、農作業・機織り・生活道具など、当時の暮らしを支えた民具を多数展示しています。
民俗資料展示室 展示品
藁打ち小屋
柏木地区から移築された、わら製品づくりの作業小屋 です。
農閑期や雨の日に、草履や縄などを作るため、稲わらをやわらかくする藁打ち機を使っていた様子が再現されています。
藁打ち小屋
まての蔵(土蔵)
まての蔵は、昭和50年代に原村役場の書庫として使われていた土蔵を移築・改修し、平成30年に文化展示施設として新たに生まれ変わりました。
名前の由来は、原村に昔から伝わる「まて(=もったいない、節約を大切にする)」という方言にちなんでいます。
まての蔵 展示品2
● 展示内容
【1階】鏝絵に関する解説と作品の展示
【2階】農家の生活用品や民具の展示
鏝絵(こてえ)と職人の技
外壁には、左官職人が漆喰と鏝(こて)で描いた「鏝絵(こてえ)」が施されています。
大黒様・恵比寿様・ぶどう・米俵・稲穂・竹とスズメ・宝づくしなど、福を招く縁起物の絵柄 が随所に描かれ、左官職人の熟練の技術を間近で見ることができます。
まての蔵 入口 まての蔵 背面
● まての蔵 背面:竹と稲穂を啄むスズメ…根を深く広く張る竹と、家内安全・富を意味するスズメ、子孫繁栄・一族の繁栄
まての蔵 左壁
● まての蔵 左壁:宝づくし…縁起物の集まり 福徳を招く
原村には、このような鏝絵のある土蔵が約500棟も残っており、この街並みは「日本で最も美しい村」推選の要素にもなっています。
体験できること
裂き織り(ぼろ機織り)
原村では、使い古した布を裂いて織り直す「ぼろ機織り」の文化が今も息づいています。
郷土館では、子どもから大人まで無料で裂き織り体験 ができます。
● 予約不要(開館期間中いつでも体験可能)
● 最終受付:午後4時
● ご希望により、織った布は実費でお持ち帰りいただけます
● コースターや巾着袋など、手作り作品の展示もあります
お願い
● 昔の生活用具がご家庭にありましたら、ご寄贈をお願いします。大切に保管し、郷土の資料として活用させていただきます。
● ご不要になった着物や布も、郷土館の機織りで活用しますので、ぜひご寄贈ください。
いずれも、ご協力いただける方は、生涯学習課 文化財係 までご連絡ください。
県宝指定【 顔面装飾付釣手土器 】キャラクター
< 火の女神フゥーちゃん >
閉館中も敷地内に気軽にお入りいただき、縁側等でお休みください。
是非、郷土館・まてのくらに足を運んで縁側に座って鏝絵を眺めながら、昔の暮らしに想いをはせてみてはいかがでしょうか。